肺癌

肺癌とは

肺癌は、何らかの原因で肺の気管、気管支、肺胞の一部の細胞が癌化したものです。
肺癌は進行に伴って周りの細胞を破壊しながら増え、血液やリンパの流れに乗って拡散します。肺癌は喫煙が関係していることが多くの方に知られていると思いますが、喫煙とは関係なく発症する肺癌も多いです。特に日本人の女性は、肺癌の発症率は高いと言われています。
そのため日本における死亡原因のトップは肺癌で、まだ増加傾向にあります。


肺癌になるしくみ

人間の身体は多くの細胞でできており、細胞は何度も分裂して徐々に新しいものへと入れ替わっています。細胞の中の遺伝子がそれらを管理しています。
異常な増殖を続ける癌細胞は、この遺伝子が何らかが原因で損傷することによって生じます。多くの場合は免疫機能がそういった癌細胞を排除しますが、それから逃れて、身体に害を与えるものもあります。それが「癌」です。
肺癌はそのうち、気管支や肺胞にできたものを指します。


肺癌の発生要因

肺癌のリスクを高めるものとしては喫煙や、ディーゼル粒子や石綿(アスベスト)などの環境があげられていますが、原因がはっきりしない肺癌もあります。


肺癌の症状

多くの場合、長引く咳や痰など風邪と似た症状がみられますが、肺癌で必ずみられるというものはありません。転移した場合、ふらつく、背中や腰が痛む、声がかすれる、疲れやすい、体重が減るなどの症状がみられることもあります。
ただ肺癌はその他の部位の癌に比べ、症状が出にくいのが特徴です。


肺癌の種類

肺癌は大きく2つに分けられ、ひとつは非小細胞肺癌で、もうひとつは小細胞癌です。進行速度や治療法が異なるため、どちらのタイプの癌であるか見極めることは重要になります。
肺癌の大多数を占める非小細胞癌は、そこからさらに腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌の3つに分けられます。

非小細胞肺癌

小細胞癌ではない肺癌を総称して非小細胞癌と呼びます。肺癌のうち、およそ80~85%がこの癌です。多くの異なる組織型(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌など)があり、それぞれで症状、進行形式と速さ、生じやすい場所などが異なります。
腺癌がもっとも発生頻度が高く、男性では肺癌全体の40%、女性では70%以上がこの腺癌です。症状はさまざまで、進行の速度も速いものから遅いものまであります。また、腺癌は多くの場合、肺の抹消に生じます。
扁平上皮癌は、多くの場合太い気管支に生じ、喫煙と深く関係するといわれています。男性では肺癌全体の40%、女性では全体の15%ほどを占めます。
非小細胞癌への治療は、可能であれば手術を中心とした治療が行われます。手術後には、再発を防ぐため抗癌剤による治療を行うこともあります。手術ができない場合、放射線治療が可能であれば原則放射線と抗癌剤の併用による治療を、放射線治療が不可能な場合は抗癌剤による薬物治療を中心に治療を行います。治療方法の選択については、組織型やどの程度進行しているかを考慮して検討します。

小細胞肺癌

小細胞癌は、肺癌のおよそ15~20%を占めます。この癌は悪性度が高く、増殖が速いうえに脳、リンパ節、肝臓、副腎、骨などに転移しやすいです。
しかし、初回治療では、抗癌剤や放射線治療の効果が非小細胞癌よりも出やすいといわれています。
小細胞癌に対する治療は、放射線治療が可能であれば原則は放射線と抗癌剤の併用による治療を、放射線治療が不可能な場合は抗癌剤による治療を中心に行います。
また、小細胞癌がごく初期の場合、手術と抗癌剤治療を行うこともあります。


肺癌の検査

肺癌の疑いがある場合、胸部レントゲン検査やCT検査を行い、異常な影の有無、リンパ節の腫れ、胸水の有無などを確認します。
その結果、肺癌の可能性がある場合、加えて気管支鏡検査、CTガイド下生検、胸腔鏡(きょうくうきょう)検査、外科的生検(手術での生検)などを実施します。
なお、胸水がある場合は胸水の採取で癌細胞の有無が検査できます。
CT検査をはじめ、必要に応じて連携する医療機関を紹介します。


肺癌の治療

肺癌は大きく非小細胞癌と小細胞癌の2つに分けられ、そのどちらかによって治療のアプローチも異なります。
肺癌の治療は主に手術、化学療法(抗癌剤)、放射線治療の3つがあります。そのうちどれを選択するかは、年齢や合併症など患者さんの背景因子、PSとよばれる全身状態(体力を指し、5段階で評価する)、ステージ、組織型(腺癌、扁平上皮癌、小細胞癌などの分類)を考慮して総合的に判断します。

ご予約はこちら

お電話はこちらから

お電話からのお問い合わせはこちら。
※診療時間のみ対応。

WEB予約はこちらから

WEB予約は24時間365日
いつでも対応しています。